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ナイン・ゴッズ―秋降る雪は永遠に―

あらすじ
*注 ネタバレを含みます。

 自分の体をそのまま再現できる、政府運営の超体感ネットゲーム『ナイン・ゴッズ』。デモンズ・グリッドとよばれる思考具現化端末を用いて、超巨大大陸アピスを堪能する自由度溢れる仮想世界。
 人間とミュータントと呼ばれる種族が共存する閉鎖空間『ドーム』内で『ナイン・ゴッズ』は広く一般普及していた。その仮想世界に突然現れた残忍なプレイヤー・キラー。彼女に仮想世界で殺されたプレイヤーは、現実世界でも死を遂げることになる。
 かつて『ナイン・ゴッズ』の管理者だった神薙秋雪は、政府の最高責任者である紅坂久遠の依頼により事件の調査を開始した。
 電子トラップを用い、思ったよりも早く犯人と出会った秋雪。しかしそれは犯人が望んだことだった。
 彼女の名前はロゼ。管理者の一人だ。そしてロゼの目的は秋雪を殺すこと。
 秋雪はロゼを追いつめるが、邪魔が入って逃がしてしまう。さらに、調査の過程で依頼人である久遠自身が暗躍している可能性が浮上した。
 疑念を振り払い、調査を続ける秋雪。だが管理者の一人、夜崎倖介が久遠から離反することで秋雪に突然の死がもたらされた。そして現れた秋雪に眠る別の人格、刃。
 かつてミュータント・キラーと呼ばれ、都市伝説にまでなった存在。両親をミュータントに殺された事実から目を背けるために秋雪が生み出したもう一人の自分。冷徹な凶暴性を持つ彼を嫌いつつも、辛い事は全て押しつけてきた。そしてどこかで頼りにしていた。刃もソレを受け入れてきた。全ては秋雪のために。
 刃の活躍により『ナイン・ゴッズ』でのプレイヤー・キラー事件は終結を向かえる。
 久遠の計画通りに。
 仕上げは秋雪を殺す事。
 秋雪と久遠。オリジナルのデモンズ・グリッドという力を共有し、かつて互いに惹かれ合った男女。秋雪は刃と入れ替わることなく自らの手で決着を付ける。刃の為に。そして自分の為に。
 久遠との戦いに勝ち、暗い過去と決別した秋雪。隣では大切な人が微笑んでた。

1st part

 秋雪にプレイヤー・キラーの調査依頼を持ち込んだ倖介。
「知っているだろう? 僕には重大な『欠陥』がある」「久遠はその『欠陥』を高く評価しとる」
 久遠の遠大な計画。その仕上げが始まる。

2nd part

 管理者としての秋雪の力をまざまざまと見せつけられた水鈴。上司としてのプライドは微塵に粉砕された。残された彼女の使命は秋雪を監視すること。

3rd part

 秋雪の前に突然久遠が現れた。彼女によってもたらされた情報。それはプレイヤー・キラーに狙われた者の共通点。

4th part

 ついにプレイヤー・キラーを見つけた秋雪。正体は管理者の一人、ロゼだった。だが彼女はどこか様子がおかしい……。

5th part

 「ココまでは久遠の計画通り、か……。気にくわん」倖介の勝手な行動により、秋雪にもたらされる突然死。そしてミュータント・キラー刃が現れた。

6th part

 刃の誇る圧倒的な力によって、ロゼは敗走した。現実世界に戻り、水鈴と出会った刃。地下バーで二人は互いの思いをぶつけ合う。

7th part

 再び秋雪の前に久遠が現れた。彼女の目的は秋雪の抹殺。久遠の計画は今、最終局面を迎えようとしていた。

8th part

 久遠との戦いに勝利した秋雪。代償は刃の消失。これまで嫌いつつも、どこかで頼りにしていた存在。
 だが、いつまでも後ろを向いてはいられない。秋雪には守るべき大切な存在がある。
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